米麹ができるまで(後半)

米麹ができるまで(前半)の続きです。こうじ室の中では何が行われるのでしょうか?


切り返し

今朝、こうじ室に運んできた米麹です。生きている証拠に、夕方には熱が出て、固まってきます。一度全体をまんべんなく切り返し、固まりをほぐして、麹が自己消化をおこさないようにします。

こうじに酸素を供給し、麹菌が育ちやすい環境を整えます。切り返し後、また寝かせます。


麹の切り返し

こうじ蓋へ盛る

まずは、米麹の香りをチェックします。出来の良い麹は、栗香(栗のような香り)がするんですよ。もちっとした感じで、食べるご飯よりも硬さがあります。


麹の香り

こうじ蓋の中央に麹を盛って、全体に広げます。平たく全体に広げるわけではありません。山というのは、中央に熱がこもりやすく、端は空気に触れるため温度が下がりやすいですよね。温度を均一にするためには、中央がすこし窪んだ形のお米の山を作る必要があります。

ハンバーグを焼くときに、中央を少し凹ませるのと同じ原理です。手の平を使って何度も中央を凹ませてしまうと、形が均一になりません。こうじ蓋にお米の山を盛り、一度だけ手のひらを前後に動かすことで、窪みを作ります。単純なようで、職人の長年の経験から生まれた動きなのです。


麹をこうじ蓋に盛る

麹づくりには、常に温度管理の大切さがつきまといます。麹菌は生き物です。麹菌達の活動しやすい温度があります。その温度を保ち、寝かせてあげましょう。この間に麹菌が増殖していきます。


麹をこうじ蓋に盛る

小泉麹屋のこうじ蓋は井桁(いげた : 上から見て「井」の字形に組む)に積みます。温度を均一にするため、この形になっています。日本人が昔から、コントールできない自然と調和していこうと向き合ってきた姿が、こんなところにも見えるのです。



こうじ蓋の井げた

井桁に積み上げていきます。


こうじ蓋を積み上げる

色が違うのは、小麦麹です。こうじ室の中で 米麹は二昼夜、小麦麹は一昼夜を過ごすのですが、小麦麹は時間が短い分、熱が出ていくのも早いので目が離せません。


小麦麹

やがて、お米から綿のようなものがでてきます。綿のようなものは、所謂菌糸と言われます。

麹作りは総じて時間や温度との戦いです。その時間と温度によって麹菌に作って頂くものが麹なのです。


出麹(でこうじ)

翌日には、こうじ蓋をひっくり返しても落ちない状態になっています。こうじ室からこうじ蓋を出していくことを出麹(でこうじ)と言います。


出麹

表面にはうっすらと雪が積もったように、麹菌がびっしりです。


米麹
米麹

小麦麹の方は、麹菌が元気すぎて胞子がですぎますので、発送にあたって、軽く飛ばしてしまいます。少しもったいない気がしますが、ご自宅に届いたときに、モワモワと出過ぎると驚かれるお客様が多く、軽く振るってお送りします。


小麦麹

麹はひとつひとつ計量して発送いたします。塩と混ぜた「塩切り済の麹」と、塩を混ぜていない「麹」と両方ご用意しています。塩切済の場合、塩が保存力を高めますので、クール便ではなく通常の宅配便でお送りできます。送料がお安いですので、味噌造りなど、塩をまぜて米麹・小麦麹を使おうと思われている方には、塩切り済の麹がおすすめです。(麹のご購入)


麹の発送

豆からお味噌を造る「お味噌れしました」をご注文のお客様には、北海道産大粒大豆と合わせて発送いたします。


大豆の発送

潰してある大豆からお味噌を造る「あなたも味噌職人」をご注文のお客様には、潰し大豆と一緒にお送りします。


潰し大豆の発送

麹さん、みなさんのご家庭で、しっかり発酵食品を造ってくださいね


潰し大豆の発送

以上、「米麹ができるまで」でした。いかがでしたか? 麹屋で「手造り味噌教室」も開催しておりますので、お近くの方はぜひお越し下さい。お味噌造りの大豆については、「灰汁を取りながら丁寧に、大豆を茹でる」でご紹介しています。



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