米麹ができるまで(前半)

“こうじ”って何だろう?

麹は味噌 ・醤油・みりん・焼酎や日本酒など発酵食品の発酵のスターターとなります。麹から作られる食材を一日一回も口にしないという日本人は少ないのではないでしょうか。

和食を支える麹ですが、今では、麹を手作りするところは日本で数えるほどになりました。ほとんどの麹が、機械でつくられている「機械こうじ」なのです。

そこで、当店での米麹づくりを紹介いたします。100年以上前に作られたこうじ室(むろ)を現在も使って手づくりしています。当店の麹の特徴については、「小泉麹屋がつくる麹」をご覧ください。


米麹

米麹ができるまで

麹づくりは、「こうじ部屋」と呼ばれる米の蒸し釜や麹菌をつける作業台のある部屋と、麹をねかせる「こうじ室(むろ)」で行います。


蒸かし

麹づくりは、原料のお米を蒸かすところから始まります。洗米し、一晩水に浸けた米を蒸し釜に入れて蒸します。家でご飯を「炊く」のとは違って、お米は「蒸し」ます。米の間を蒸気がぬけて行くことで、水分を含みすぎず麹をつけるのに最適な状態のお米ができます。

蒸し釜は、家庭用のものと比べると蒸気の上がる量が違います。作業場は蒸気でいっぱいになるため、眼鏡が一瞬にして曇ってしまう程です。この蒸気はこうじ部屋内の温度を上げて、他の雑菌が繁殖しないようにする役割も担っているんですよ。


米を蒸す

蒸し釜から蒸気があがります。こちらは小麦を蒸しています。小麦も米と同じように、蒸すところからはじまります。


小麦を蒸す

この蒸したお米を作業台にあげていきます。こうじ菌を混ぜ合わせる前に、蒸したての熱いお米を一定の温度まで下げる必要があります。こうじ菌も生き物なので、生きるために「適温であること」が必要です。炊きたてのお米は熱すぎて死んでしまうのです。


麹菌の植え付け

米を作業台にあげる

蒸した米を平らに広げ、温度や水分を飛ばします。麹づくりは温度管理が何よりも大切です。こうじ菌が育つのに最適な温度は36~38℃くらい。夏でも、冬でも、一定の温度を保たせなくてはなりません。しゃもじを使って手早くお米を広げます。


米をしゃもじでひろげる

温度ムラができないように、手のひらで温度を感じながら、固まりを崩していきます。徹底した「熱すぎず冷たすぎず」の温度管理が良質な麹の秘訣なのです。ちょうど良い温度にまで下がったら、こうじ菌を混ぜます。このタイミングをつかむためは、長年の経験が必要です。


米を適温までさげる

こうじ菌のうえつけ方は、米麹と小麦麹では少し異なります。米麹の場合は、こうじ菌を全体に振るっていきます。


米に麹菌を付ける

そして、こうじ菌がきちん付着するよう、手を使って混ぜ合わせていきます。こうじ菌が十分に付かなければ、ただのお米です。麹では無いものを使って味噌やお酒などを造ってしまうと、ただの腐敗した物になってしまうのです!そうは言っても時間はかけられません。手早く混ぜ、こうじ菌の付着を確認した後、温度が下がる前に布に包み、こうじ室に運び込みます。


米に麹菌を付ける

こうじ室(むろ)へ

真冬には、アッという間に麹菌が育つ適温を通り過ぎしまうので、温度を保つためにはここが時間との勝負です。こうじ菌を付けたお米を布にくるんで「こうじ室」へと運びます。


こうじ室へ

こうじ室と書いて、こうじむろと読みます。こうじ室は半地下で、温度38℃、湿度80%に保ち、屋根は土壁で出来ています。

そうそう、上の写真、奥のガラス扉の後ろに見えているのは、「手造り味噌教室」に来てくれた子どもたちからいただいた感想のメッセージです。みなさんからの喜びと驚きの声にささえられて、私たちも仕事をさせていただいております。

こうじ室の中は、まるでスチームサウナのよう。真冬でも一定の温度を保ち、ひと時も目が離せません。だって、こうじは生きているんですから…。


こうじ室の中で

このまま、こうじ室で寝かせます。こうじ菌は増殖、成長する過程で、さまざまな化学反応を起こします。栄養分はデンプン質、タンパク質、糖類、含質素物燐酸カリ石炭で、これらを、まとめて無機栄養物といいます。これを栄養として麹菌は繁殖していきます。無機物はこうじ菌の肥料となるのです。こうじ室の中で二昼夜を過ごし、できあがりです。

米麹ができるまで(後半)はこちら



塩麹の手作りキット

小泉麹屋の麹を使う絶品!塩麹の手作りキット。海と森のミネラルを含む希少な塩を使います。

765円(税込)

醤油麹の手作りキット

小泉麹屋の麹を使う絶品!醤油麹の手作りキット。手造りされた醤油の香ばしさに驚きます。

815円(税込)

米麹

米麹 単品の販売です。味噌造りの他、甘酒作りにも。麹の香りがする、本物の米麹です。

510円(税込)~

小麦麹

小麦麹 単品の販売です。希少な国産小麦を使用。小麦麹を使うと、麦味噌ができます。

680円(税込)~